ホストのバイト体験談~Part1~大学生のときにホストの面接のアポをとりつけるまで
今回は私が大学生時代にホストのバイトを行った体験談を書きたいと思います。
長くなりそうですがぜひご覧ください。
5部構成です。
経緯
大学生のある日。
私は自宅のベッドの上で腕を組みながらあぐらをかいて座っていた。
目の前にはスマホが無造作に転がっている。
スマホにはホストの求人サイトが浮かび上がっていた。
当時「ホスト 求人」の検索結果で1ページ目に出てきた場所である。
徹底的に調べていたが、私の住んでいる地域の中ではトップクラスで人気のホストだった。
私はうんざりしていた。
もちろん刺激のない日々の学生生活にも辟易していたが、何よりも将来のことについてうんざりしていた。
私の大学では、正しい努力を続けていけば大企業に入ることはさほど難しくはない。
大学院に行かなくても大企業の内定を獲得できている人もいる。
しかし私はまるで当たり前のように大企業に入ることを目指すことに疑問を感じずにはいられなかった。
大企業に入ったとしても、初任給なんてたかが決まっている。
確かにボーナスには期待できるかもしれないが、大企業だったとしても初任給なんてせいぜい24万前後だ。
あとから給料が上がると言っても所詮は年功序列。
本当に大企業に入ることで旨味を感じることができるのは、30代後半くらいまで我慢して管理職クラスのポストを獲得した場合である。
もしかしたら途中で出世コースからはずれ、一生満足できる年収にたどり着かないかもしれない。
それに何よりも大企業に入ることに対して個人的に嫌なことは、仕事に正当な評価が認められないことだ。
偏見かもしれないが、大きすぎる企業に入ると技術や能力そのものよりも、人付き合いやおべっかばかりが上手くなってしまうのではないかと感じていた。
どうせなら表面上だけの処世術ではなく、もっと実質的な実力を身に着けたい。
その点、ホストは違う。
ホストは能力重視であり、若いうちから大金を手に入れるチャンスがある。
実力がなければ蹴落とされ、周りにこびへつらっていては舐められる。
逆に年上の人が年下の人に気を遣うなんてことはざらだ。
緊張感や切迫感が好きな私にとって最適な職と言えよう。
もちろん、大金を手に入れるチャンスを手に入れることができるのと引き換えに相当な努力を強いられることになるが、それはどの仕事も一緒である。
楽な仕事なんてない。
どうせなら、やりたいことをやりたかった。
しかしやはり今までまともなバイトしかやらなかった身としては、ホストのバイトに応募するのは大変勇気が入る。
自分は何か取り返しのつかないところに行こうとしているのではないかという不安に揺るがされていた。
ふと時計をみた。
ホストの求人に応募すると決めてからもう30分も経っている。
さっきからスリープモードに入るスマホを叩き起こしては、ベットに投げることを繰り返していた。
何度ベットにスマホを叩きつけてバウンドさせたことか。
悩んでてもしょうがない。
自分の性格は自分が一番分かっている。
ホストのバイトに応募するのは時間の問題だ。
このままだとたとえ何日も延期したところで、ホストの求人に応募するという結果は変わらないだろう。
私はそういう人だ。
ただホストの求人に応募するのが遅いか早いかの時間の問題である。
身体の浮遊感に襲われながら、私は求人サイトに書かれていた番号をスマホに入力する。
手や足の末端まで血液が行っていないのを感じる。
明らかに緊張している。
求人サイトに書かれていた番号を入力し、通話ボタンを押す。
呼び出し音は倖田來未の「Moon Crying」だった。
何コレ。かっこいい。
私の周りには倖田來未を呼び出し音にするほど勇気のある人なんていない。
呼び出し音を聞いただけで異世界に足を踏み入れたような感覚に襲われた。
「もしもし、どちら様ですか?」
「あの…ホストに応募したくて…」
「へぇ、どこで見たの?○○?」
「えーと、○○のサイトで見ました」
会話や声のトーンから類推するも、驚くほどフツーの人だった。
後で知ったことだが、ホストでも男同士の会話は私たちとほぼ変わらない。
男同士特有の多少見栄を張りたがったり陰ながらライバル心を持っていることを含めて。
「まず面接からだね」
「はい」
「朝4時に○○に来て」
「え?朝4時ですか?」
思わず聞き返してしまった。
衝撃的すぎて今でも覚えている。
朝4時から始まるという仕事は、明らかに今まで身に着けてきた私の常識ではありえない。
これも後で知ったことだが、風営法で深夜に営業することは禁止されているため、必然的に日の出から営業せざるを得ないのだ。
「じゃあ、待ってるから」
面接の約束を取り付け、電話を切る。
朝4時。起きれるだろうか。
さすがにホストのバイト初日に徹夜で臨みたくはない。
バイトの日まで3日後。
大学の講義の合間を縫って面接日を設定している。
ホストの面接日まで不安を抱えながらも、日々やり過ごしていく。
そしてホストの面接日当日。
やや寝不足で気だるい体と頭を無理やり動かしながら、面接場所までチャリを転がしていった。
終わりに
ここで一度切りたいと思います。
終わってみれば今回の記事では全然おもしろいところがなかったですね。
続きはこちらです。
ホストのバイト体験談~Part2~面接から源氏名の設定、振る舞いにおけるキャラ作りまで
ちなみにホストのデメリットについてはこちらの記事にまとめてみました。
よろしければぜひご一読ください。
ホストやボーイズバーなど夜の仕事をやるべきでない理由とは?将来性がない!?
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